世間ではよく、
落ちるところまで落ちたなら、
あとは昇っていくだけ、と言われることがあります。
落ちるところまで落ちたというのなら、
もうそれ以上、下に落ちる場所がないのですから、
これまでの反作用として、今度は昇っていくだけなのだと。
地面に落ちたボールは、勢いよく跳ね上がります。
別の領域から見てみます。
前回私は、闇には底があると述べました。
ですが、闇の底とは行き止まりではありません。
闇の底を、さらにひたすら辿っていくと、
反対側の光の方へと突き抜けます。
闇にひたすら落ち込んでいると思っていたのが、
知らず知らずのうちに、光の方へと歩を進めています。
それは、一歩ずつ光に引き戻されているように、
また、元居た光の位置に再び戻り、
ゼロからのスタート地点に立たされているように、
もしくは、今まで見たこともないほど突き抜けた、
さらに進んだ光の地点に居ることに気づく瞬間があるかもしれません。
人により個人差はあるでしょう。
それが誰かよりも、時間がかかったり、
近道であったり、遠回りであったり、
闇を抜け出すのに手こずっていたとしても、
私たちは知らず知らずのうちに、
光の方へと歩みを進めていることもあるのです。
闇はどこまで行っても闇なのではなく、
闇の奥の深淵は、光へ続く通路へと繋がっているのです。
時には、これまでの仲間と別れを選択して、
別の方法論を模索する必要に迫られることもあります。
いつも決まりきった形ではなく、意外、予想外とも思えるような、
違う角度や領域から、闇に向かって光線を当てるためです。
種々様々な方法論があれども、それでも、
私たちは皆、目指す目的地はひとつの光です。
いつかは必ず辿り着きます。
私たちは、様々な体験や経験をするために
この世界へとやって来た冒険者であることに気づくのなら、
暗闇に居て、周りが暗くて何も見えなかったとしても、
倒れても、つまづいて転んでも、
どこまでも、行けるところまで行き、進んでみる
ただそれだけでいいのです。